発達障害のグループのうちの一つである広汎性発達障害は、大まかに3つの症状に分類することができます。
ここでは、広汎性発達障害の3つの症状の具体的な特徴を説明します。
目次
社会性・対人関係の障害
「社会性・対人関係の障害」を特徴ごとに分けると以下のような分類ができます。
孤立型
・他人に興味関心がなく、関わりを避ける
・呼びかけても反応がない
・視線を合わせようとしない
受動型
・指示されたことになんでも従う
・嫌なことも受け入れてパニックになり固まってしまうことがある
・固まってしまう
積極・奇異型
・一方的に自分の話したいことを話し続ける
・同じことを何度も繰り返す
尊大型
・他人を見下したような物言いをする
・横柄な態度をとる
この他にも社会に適切に対応ができる「適応型」などの特徴もありますが、広く知られるのは上記の四つのみです。
コミュニケーションや言葉の発達の遅れ
「コミュニケーションや言葉の発達の遅れ」には、次のような特徴が見られます。
・言葉の発達が遅い(オウム返しや単語のみの発言など)
・一方的に話し受け答えができないなど会話が苦手
・皮肉や冗談が通じず言葉を意味どおりに理解してしまう
・抽象的な言葉の意味や文脈の理解が難しい
言語能力に遅れが見られる場合、図や絵で説明するなど、具体的な説明がないと文章の意味が伝わらないこともあります。
また、自分が使っている言葉でも意味を理解していないことがあり、相手を傷つける発言をしてしまうこともあります。
行動と興味の偏り
後半生発達障害の人は、特定の分野に強い興味・こだわりを見せることがあります。
具体的な特徴は以下のとおりです。
・予定の変更や初めての場所に苦痛を感じる
・食事へのこだわりが激しく偏食気味
・パターン化していない自由時間が苦手に感じる
・普段はできていることでも場所が変わるとできなくなる
広汎性発達障害の人には自分なりのこだわりがあり、やり方に少しでも変化があると途端に対応できなくなったりパニックになることがあります。
幼児期における広汎性発達障害の特徴の現れ方
広汎性発達障害の症状は、成長過程と環境によって変化が見られます。
ここでは幼児期に見られる広汎性発達障害の症状をまとめます。
幼児期(0歳~小学校就学)
広汎性発達障害は発達障害の一つです。
しかし、発達障害は、言語・認知・学習など発達領域が未発達の乳幼児においては症状がわかりづらく、生後間もなく広汎性発達障害の診断が出ることはありません。
ただ、後々振り返ってみると、行動に以下のような特徴が見られた場合が多いとされています。
周囲にほとんど興味を持たない
他の子どもに興味を持たず、名前を呼ばれても振り返らないことが多い傾向にあります。視線を合わせようとしないのも特徴の一つです。
定型発達の子どもが興味のあるものを指差して示すのに対し、広汎性発達障害の子どもは指さしをせず興味を示さないことがあります。
コミュニケーションを取るのが苦手
知的障害を伴う広汎性発達障害の子どもには、言葉の遅れ、オウム返しなどの特徴があります。
会話のキャッチボールができず、一方的に言いたいことだけ言ってしまったり質問に答えることができない傾向にあります。
集団でごっこ遊びを好む定型発達の子どもに対し、広汎性発達障害の子どもは一人遊びを好みます。
強いこだわりを持つ
興味のあることに関して、何度も繰り返し同じ質問をすることが多い傾向にあります。日常生活に様々なこだわりがあり、物事の手順が変わると混乱してしまいます。