皆さんこんにちは!本日も発達障害等に関する学びや情報交換の場所なることを願って投稿させて頂きます。
今日のトピックは「発達障害児童への接し方」についてです。
「ご飯だよ〜!」
「ん?・・・聞こえてるの〜?!」
「ご飯だってば〜っ」
「何度言わせるの〜(怒)」
発達障害のお子さまのおうちでありがちな光景が目に浮かびます。なぜ、お子さまに、ご飯の時間であることを伝えているのに返事をしないのでしょうか?こっちへ来てくれないのでしょうか?
伝え方が悪いのでしょうか?それとも声が小さかったから?
だったら、「ご飯を食べる時間になったから、今やってることをやめて、テーブルへ来て自分の席に座ってお箸を持って食べなさい」
といえば良いのでしょうか?
目次
困ったはここにあった!接し方はこれを踏まえて考えよう
メモ帳に、「ご飯だよ!こっちへ来なさい!」と書いて渡したらすぐに来てくれるようになったそうです。これは私の知り合いのお母さんに聞いた話です。
え〜っ?!そこ〜っ?!
と言ったお父さん、お母さん。
はい、そこだったりすることもあるんです。
ちなみにこの子、発達障害の診断を受け、グレーゾーンのお子さまです。発達障害は大きく分けて3つと言われますが、その中のタイプもいろいろあったりするんです。
発達障害と診断されずとも、その疑いや軽度の偏り、症状があると診断されること。
今回のお子さまは、視覚優位タイプというそうで、「見える化」することで劇的に変わったとお母さんは話します。
結局のところ、何が言いたいのかと申しますと子どもにばかり目を向けてしまいがちですが、接し方においての「困りごと」はこんなところにもあったりするということです。
つまり、今回のケースのように、「声で呼ぶ」のではなく「メモで渡す」という環境を変えたことによる成功例と言えるのではないでしょうか。
個性と捉えた上で環境要因を取り除く
いつも邪魔する困った!は発達障害児とその対象物の間にあることも結構あるそうです。例えば、先ほどのご飯の時間の一コマでは、お子さまとご飯を食べるという行為の間にあるということです。
つまり、お子さまに目を向けてしまうと答えが見つからないんです。だって答えは間にあるから。
ただし、これはほんの一例であり全てに当てはまるわけではありません。環境というハードな部分を変えることも大切だということです。
さあ、それでは接し方においてのソフト面をみていく前に発達障害について少しおさらいしておきましょう。
発達障害とは
発達障害は自閉症スペクトラム障害・アスペルガー症候群(ASD)、注意欠陥・多動性障害(ADHD)、学習障害(LD)などがありますが大きく3つに分かれています。
自閉症スペクトラム障害、アスペルガー症候群(ASD)
相手と何を話していいのかわからないことや空気が読めないなどコミュニケーションに影響する症状が特徴です。
注意欠陥・多動性障害(ADHD)
気になったものに意識が向いてしまい、集中力がなく落ち着いていられないなどの特徴があります。
学習障害(LD)
文字の読み書き、聞く、話すなどの会話、計算などが苦手です。
発達障害はいくつかのタイプに分類されており、自閉症、アスペルガー症候群、注意欠如・多動性障害(ADHD)、学習障害、チック障害、吃音(症)などが含まれます。
引用先:厚生労働省みんなのメンタルヘルスより
これらは、生まれつき脳の一部の機能に障害があるという点が共通しています。同じ人に、いくつかのタイプの発達障害があることも珍しくなく、そのため、同じ障害がある人同士でもまったく似ていないように見えることがあります。個人差がとても大きいという点が、「発達障害」の特徴といえるかもしれません。
発達障害児童の対人面においての困りごと
- ご飯って言ってもこない
- 静かにしてって言っても聞かない
- 緊張のため、自分から挨拶ができない
- 複数のお願いことをすると対応できない
- 順番が違ったため不機嫌
- あれだけ言ったのに学校に忘れ物をしてきた
- ルールを決めたけど守れない
などです。これらの困りごとは接し方の工夫次第で、改善されたりすることもあります。困りごとはどこにあるのか、しっかり見つめ間違った対処をしないようにしましょう。
親としてできる対策など
接し方・人間関係において親ができること
トーンを落としてゆっくり、はっきりと
口を大きく開け、トーンを落としてゆっくりはっきり話しましょう。人は、自分より早口で話されたり、大声で話されたりすると威圧感を感じ、うまく話せないものです。
指示は1つ
優先順位をつけることが苦手なことが多いため、何かお願いするときや指示を出すときは1つに絞ってあげ、複数のことを一度に全部伝えるのは避けましょう。
親が通訳
うまく表現することが苦手です。親が通訳者になれるよう心がけ、親が一緒にいられないときは、窓口は1つにしてあげられるような対策をとっておきましょう。
図や文字の使用
先ほどの例のように耳から入る情報が苦手なことも多いです。図や文字を使いうまく伝えましょう。逆に聴覚優位型は視覚的情報より耳から入ることが有効な場合もあります。
視覚と聴覚のうち、耳から入ってくる情報の方が理解しやすいこと。
一貫性のあるルールづくり
暮らしやすい日常を過ごすために一貫性のあるルールが大切です。混乱してしまわないよう、自分の気分や機嫌次第でルールを変えるのは絶対にやめましょう。
感情的にならない
間違いを頭ごなしに怒って怒鳴ったり、取り上げたりして感情的になることはやめましょう。信頼関係を作ることが一番大切です。
また、そのような場面では手立てを教えてあげましょう。
変更は早めに伝える
いつもと同じ「道」とか「順番」、「曜日」などにこだわりがあったり、急な変更があると、混乱することがあります。変更などあるときは、なるべく早めに伝え、心にゆとりを持ちましょう。
曖昧な表現は避ける
「適当にやっておいて」、「手が空いたときに・・・」というような表現は、理解できません。具体的に「○時に」「○月○日に」など、しっかり伝えることが大切です。
ポジティブに受け取りましょう
全てをポジティブに受け取れるように心がけましょう。そうすることで、お子さまの自己肯定感が育まれます。
我慢強さ
お子さまの言動に腹立たしくなったり、動揺したりする場面もあるかと思います。
しかし、それで声を荒げてしまったり、いつも言ってることと真逆のことを言ってしまっては、信頼関係も保てなくなり、親子関係どころではなくなります。
我慢強さを持ち、長い目で見守ってあげられるよう、自分自身のケアもしてあげましょう。
環境整備において親ができること
環境整備というと接し方とは関係ないように思われてしまうかもしれませんが、実は結構大事なことなのです。
例えば、聴覚過敏で落ち着いて学習できないのであれば、耳栓を与えてあげることや視覚過敏で明るすぎて、つい騒いでしまうのであればサングラスを与えてあげるなど、その子の周りの環境を変えてあげることも大切です。
- 鉛筆を太いものに変えてあげる
- 帽子のゴムを外してあげる
- テーブルと椅子の距離を縮めてあげる
- スプーンやフォークに取り替えてあげる
「視覚」「聴覚」「触覚」「臭覚」「味覚」の5感から得る様々な情報の中に「特定の苦手な情報」があることによって過敏に反応してしまう症状のことです。
外部支援の検討
継続した支援は1人では限界があります。医療機関や支援機関の援助をもらいながら、続けていきましょう。
児童発達支援センターは地域の障害のある児童を通所させて、日常生活における基本的動作の指導、自活に必要な知識や技能の付与または集団生活への適応のための訓練を行う施設です。
発達障害者支援センター は、発達障害児(者)への支援を総合的に行うことを目的とした専門的機関です。都道府県・指定都市自ら、または、都道府県知事等が指定した社会福祉法人、特定非営利活動法人等が運営しています。
発達障害のお子さまを育てるのは決して簡単なことではありません。心理的ストレスの軽減を図ることも大切です。障害を抱えたお子様の療育と保護者の方の休息にデイサービスの利用も良いかもしれません。
発達障害を抱えた児童の「療育」さらに保護者の「休息」も重要と考え、デイサービス事業を行っています。
まとめ
発達障害は本人の特性であり、一生続く問題です。接し方を間違ってしまうと、うつ病などの2次障害にもなりかねない問題でもあります。
環境や人との関わり方次第で不安を軽減できたり、健全な生活を送ることが可能になります。
そのためには、家族やパートナー、支援者などが本人を理解し支えていくこと。つまり、周りのサポートがとても大切です。
あくまで個性として捉え、何に困っているのか。そして、困っている原因への対策を検討し支援していきましょう。