目線に注目すること自体が少ない時の対処法

子どもが目線に注目する頻度が少ないという場合には、クイズを用いて目線を合わせるトレーニングをすると良いでしょう。
自分の意思を伝えたい時、目線を使うとスムーズになるということを学んでもらうきっかけにもなります。

まずは、子どもがいつも遊んでいるおもちゃやゲームを複数用意します。
机の上にそれらを離して並べ、子どもと向き合います。

その状態で、「今からゲームをします。お母さんが見たおもちゃをとってください。当てられたら一緒に遊ぼう」と語りかけます。
子どもが正解したら、「よく目を見ることができたね!』と褒めてあげましょう。

迷っている場合は、目線だけでなく指をさしてわかりやすくしたり、対象物を手で触るなどしてヒントを与えます。
大人が自分の目の周りを指差しながら「ここをよく見て」とアドバイスをするのも良いでしょう。

このヒントで子どもが正解することができたら、次は目の周りに注目してもらえるようなヒントに移行する段階に入ります。
目線だけでなく体全体を対象物の方に向けてわかりやすいようにしてみたり、頭を大きく動かして対象物を見るなど、顔まわりに視線が集まる工夫をしましょう。

これで正解することができたら、最後は目線のみを使う段階に移行します。
このようにステップを踏むことによって、子どもはスムーズに目を見ることができるようになります。

ただし同じゲームばかりだと子どもが飽きてしまう恐れがあるので、遊びのバリエーションも少しずつ増やすようにするとより良いでしょう。
例えば、空の箱と違うおやつを入れた箱を用意し、横並びに並べて「今日のおやつはお母さんが見ている箱に入っているよ。どれを見ているでしょう」というクイズにすると、
おやつへの関心も相まって子どもの集中力は高まるはずです。

指定したものを見る訓練がしたい場合の対処法

日常生活の中で注目してほしいものを見てくれないことに悩んでいる場合は、刺激のある環境に子どもを連れて行くことがおすすめです。

積極的に子どもとお出かけをして、指定したものを一緒に見る訓練をしましょう。
珍しいものや変わったものがあれば自然と目を引くため、子どもにとって良い機会となります。

見せたいものが見つかったら、まずは子どもと同じ目線にしゃがんで名前を呼びましょう。
子どもが目を合わせてくれたら、その状態で見たいものに目線を移行し「あれ見て。すごいね」など興味を引くコメントをしながら対象物の方を向きます。

この時少しオーバーリアクション気味に首を動かすと良いでしょう。
それでも目線の誘導が難しい場合は、指をさしてみたり、子どもの手をとって指差しのポーズを作って目線を向けるようにします。

一緒に対象物を見ることができたら、それに関する感想を言い合いましょう。
楽しく会話することで、目線を合わせることに対する苦痛を感じにくくなります。

何か一つ一緒に見ることができたら、その流れで次の対象物を探して同じように目線を合わせながら声かけをしましょう。