皆さんこんにちは!本日も発達障害等に関する学びや情報交換の場所なることを願って投稿させて頂きます。
今日のトピックは「発達障害 社会性」についてです。

社会性は人との関わり合い(コミュニケーション)を通して学ぶものです。しかし、発達障害を持つ子供は人とのコミュニケーションが苦手であることが多いので、社会性を学ぶのが大変です。

しかし、周りの人たちが障害の特性を理解した関わり方をすれば、子供たちがコミュニケーションに対して持つ苦手意識を好きに変えることができるかもしれません。

コミュニケーションへの苦手意識が無くなれば、たくさんの人たちとの交流を通して社会性が育まれてゆくのではないでしょうか。

今回は、発達障害の子供のコミュニケーションに対する苦手意識を変えるために、お母さんに知って欲しいことを紹介します。

子育てはチームプレー

子育ては長期戦です。発達障害支援センターなど利用できるサービスはトコトン利用して、チームプレーで乗り切りましょう

もちろん、お母さんがネット検索などで情報を収集することも大切ですが、あまり一人で頑張り過ぎると、お母さんのこころが疲れてしまうかもしれません。

まず、お母さん自身が元気でいること。子供の成長にも大切ですよね。

                             相談して良かったお母さんの話

相談のメリット

子育ては、本当に毎日が大変ですよね。まして、発達障害を抱える子供の場合、障害に対する知識や対処法も勉強しなければなりません。

それなら、専門家のサポートを受けながら、発達障害に対する知識や適切な子育てを学び・実践するのはどうでしょう。

頼りになる先生が一緒になって子供の成長を考えてくれる。そう思えるとお母さんも安心ですね。

また、相談先で同じ悩みを持つお母さんたちと知り合いになれるかもしれませんよ。悩みや情報を交換・共有できる友達がいると、不安な気持ち・子育てへの焦りが少し和らぐかもしれません。

さらに、発達障害を持つ子供たちにもメリットがあります。

なぜなら、子供たちが発達障害に関する専門家たちと交流を持つことは、適切なコミュニケーションや正しい社会性を学ぶ絶好の機会になるからです。

相談先

まずは、お住まいの地域の児童相談所や発達障害障害者支援センターに相談してみましょう。

障害の特性と年齢に合わせたサポートや子供への対応などのアドバイスを受けられます。

お母さんをサポートしてくれる人たちは周りにいます。勇気を持って、専門家に悩みを打ち明けてみるのはどうでしょうか。

全国の発達障害者支援センターの一覧です。詳しく知りたい場合はこちらのリンクからどうぞ。


子供とその家族の支えとなる福祉サービスを目指している「運動・学習療育アップ」では、発達障害と子育てに役立つ情報を発信中です。▷▷▷興味のある方はこちら

発達障害の特性を理解する

発達障害の子供とのコミュニケーションを円滑に行うには、まず発達障害の特性を理解する必要があります。以下に、主な発達障害の特性を紹介します。

主な発達障害の特徴

ASD(自閉症スペクトラム)

  • 空気が読めない人が多い
  • 人の気持ちを読み取るのが苦手
  • ひとり遊びが多い
  • こだわりが強い
  • 感覚刺激に対して過敏(鈍感)すぎる など

これだけの障害があれば、人とのコミュニケーションや社会性の獲得が困難になってしまうのもうなずけます。

本人たちは、生活のしづらさを感じているはずです。周りの人たちは、そのことに気づいてあげることが大切ですね。

ADHD(注意欠如・多動症)

  • 忘れ物やミスが多い
  • 片付けや掃除が苦手
  • ぼんやりしていることが多い
  • 衝動的に行動することが多い
  • 思いついたことを、そのまま話してしまう など

外見からだと、本人が怠けているように見られてしまいます。そのため、本人が辛い思いをすることも多く、結果的に人とのコミュニケーションが苦手になってしまいます。

障害の特性に対する理解がとても大切になりますね。

LD(学習障害)

  • 知的発達に遅れはなく、聴覚・視覚機能にも問題がない
  • 聞く・話す・読む・書く・計算・推論することが、極端に苦手

これらの特性も、見た目には理解されづらいですね。「本人の努力が足りない」と思われてしまうことも多いのではないでしょうか。

そうなれば、どうしても学校の友達とのコミュニケーションがとりづらくなりますよね。学習障害に対する周りの大人たちの理解が大切になります。

コミュニケーションのポイント

お母さんとのコミュニケーションに子供が自信を持つことは、社会性を身につけるための小さくて大きな第一歩となります。

それでは、具体的にどのような点に注意して子供とのコミュニケーションをとるのが良いのでしょうか。

ポイントは、発達障害の特性を上手く活用する視点をもつことです。以下に具体例をいくつか紹介しますね。

言葉の意味は一つだけ

私たちが話す言葉には、あえて言葉には出さないけども暗黙の了解や裏の意味があることってありますよね。

普通、私たちはそれらの意味を直感的に読み取って行動しています。

けれども、発達障害の子供たちは「言葉通り」に受け取ってしまいます。例えば、こんな感じです。

母:「〇〇ちゃん。お風呂見てきて」

子:「お風呂あったよ」

母:「(お母さんが買物から帰宅)ただいま、何かいつもと変わったことはなかった?」

子:「ママがいなかったよ」

母:「(お菓子を食べながら)これ、ほっぺが落ちそうなくらい美味しいね」

子:「大変だ。ママ!病院に行かなきゃ」

このように、発達障害の子供は前後の状況を理解して判断するのが苦手、言葉通りに受け取ってしまいます。喩え話や慣用句も苦手です。

これでは、会話がチグハグになってしまいコミュニケーションも成り立ちません。

このような場合は、その都度、言葉の裏の意味を説明して、言葉の引き出しを一つずつ増やすようにしましょう。

否定より肯定

子供が間違ったことをしていたら、正しいことを教える必要がありますよね。そうしないと正しい社会性が身につきませんよね。

しかし、ここでお母さんに気をつけてほしいことがあります。

「〇〇しちゃダメ」という否定言葉。これはNGです。

上述したように、発達障害の特性として言葉の裏の意味を読み取ることが苦手です。そのため、お母さんが伝えたい本当の意味が子供には伝わりません。

なので、必ず「△△しましょう」と具体的な肯定言葉で伝えるようにしましょう。

「走ってはダメ」→「歩きましょう」

できたことを褒める

できたことを具体的に褒めましょう

発達障害の子供たちは、自分の想いや感情を相手に伝えるのが苦手です。そのため、人とのコミュニケーションに自信が持てない子供が多いようです。

だからこそ、子供が何かできた時は、思いっきり褒めてあげましょう。

そして、褒める時は「具体的に褒める」のが大切になります。

「よくやった」「頑張った」「えらい」と言った抽象的な褒め方では、何に対して褒められているのか分かりません。

そのため「荷物を運んでくれてありがとう」「学校の宿題を最後まで頑張ったね」のように具体的に褒めるのがよいでしょう。

そうやって、お母さんからたくさん褒められると、子供は自信を持ち、自己肯定感が高まってくるでしょう。

そうなれば、人とのコミュニケーションを苦手に感じる気持ちも薄まってゆくでしょう。

絵カードを活用

言葉だけのコミュニケーションは、発達障害の子供たちにとって理解しづらいものです。相手との言葉のやりとりが上手くできず、コミュニケーションを嫌がるようになる子供もいます。

その一方、発達障害の子供は、言葉よりも目から入る情報のほうが理解しやすい傾向にあります(視覚優位といいます)。この特性を有効に活用しましょう。

具体的には絵カードを活用します。

絵カードを活用して「見える化(目で見て理解する)」を実践しましょう。発達障害の子供に絵カードはかなり有効です。

https://twitter.com/makky1103/status/1226332347806519296

ツイートにある絵カードとは異なりますが、下記に絵カードの一部を紹介します。

発達障害の子が迷わず動ける!絵カード PriPri発達支援 1 /世界文化社/佐藤曉posted with カエレバ楽天市場AmazonYahooショッピング

コミュニケーションの具体例

それでは、発達障害の特性を活用したコミュニケーションの例を3つ紹介しますね。参考にしてみてください。

お手伝い

「荷物を運ぶ」「掃除を手伝う」「食器を片付ける」など、お母さんの家事を手伝ってもらうのはどうでしょうか。

手伝う内容は、具体的でシンプルな表現で伝えてあげてください。絵カードを使って伝えるのも良いでしょう。

家事の一部を任されることで「自分は役に立っている」という達成感や自信を持てるようになり、責任感も身に付きます。

少しずつ、自分で身の回りのことができるようになると、将来への自立にもつながりますね。

注意してほしいのは、失敗したり間違っても、責めないでください。

子供が一生懸命に手伝ってくれた行為に対して「ありがとう」「助かりました」と伝えてくださいね。

ゲーム

ゲームは、子供が楽しみながら社会性を学べる最高のツールです。

ゲームをしながら、いろんな社会性を学べます。

  • ルールを守ることを学べます
  • 相手の出方を見たりして遊んでいるうちに、相手の立場で物事を考えられるようになります
  • 多動・衝動的な子供たちの力加減を養うこともできます

それらはどれも大切な社会性ですね。

最初は、お母さんが指示を出して、子供がその通りにするみたいな簡単なゲームからはじめてみてはどうでしょう。

絵本

絵本の読み聞かせは、子供の社会性を育てるのに効果的ですね。

絵本には、子供に向けたメッセージ(教訓や社会性の大切さ)が詰まっています。それらを楽しみながら、学ぶことができます。

また、「絵カードを活用」のところでも説明しましたが、発達障害の子供は、言葉で覚えるよりも、目で見て覚える方が得意である場合が多いです。

そのため、絵本を使ったコミュニケーションは大変オススメです。

テクノロジー x 発達障害

近年、ネットワーク技術が進化したおかげで、家に居ながらも社会との接点を保ちつつ暮らしてゆける環境が整備されつつあります。

人と人との間にネットワークが仲介することで、コミュニケーション力や社会性スキルが苦手な発達障害者にとっては、ストレスや悩みが軽減されます

更に、発達障害者はパソコンとの相性が良いみたいです。そのため、精神障害者に対するパソコンを使った在宅の就労支援も増えつつあるようです。

発達障害を持つ子供にとって、生きやすい社会になってゆくといいですね。

まとめ

発達障害を抱える子供が社会性を身につけておくことは、将来自立した社会生活を送るためには大切になります。

しかし、発達障害の子供たちは、コミュニケーションが苦手である場合が多いので、社会性を身につけることが大変です。

だからこそ、子供にとって最初のコミュニケーションの相手となるお母さんの対応が大切になってきます。

お母さんが障害の特性を理解した関わり方をすることができれば、子供が持つコミュニケーションに対する苦手意識を無くし、好きに変えることができるかもしれません。

そうして、子供が家族以外の多くの人たちと関わり合いを持ち、色々な経験を重ねて社会性を育むことができれば、素敵ですよね。

もちろん、上手く行かなくて、つまずくこともあるでしょう。そんな時は、周りの人たちからのサポートを受けましょう。

そこでも、たくさんの人との関わり合いを通して社会性を学ぶことができますね。