皆さんこんにちは!本日も発達障害等に関する学びや情報交換の場所になることを願って投稿させて頂きます。
今日のトピックは「発達障害による聴覚過敏の影響と対策」についてです。
発達障害を持つ人の中には聴覚過敏も併発している方もいるそうですよ。
発達障害者はその特性のみならず、他にも身体的、精神的な症状を併せ持つ場合があります。
その一つとして聴覚過敏を併発する場合もあるようです。 発達障害だからといって必ずある特性ではありませんが、 自閉症スペクトラムやADHDの人の中には この聴覚過敏に悩まされる方もいるのです。
生活で何気なく発生している音が不快になってしまうので 生活の質を下げてしまい、日常生活を送る上で当事者にとっては 切実な悩みとなるでしょう。
そこで、今回はこの聴覚過敏に悩む人への軽減策として 耳栓がなぜ有効なのか?また耳栓の選び方や機能をご紹介していきます。
目次
聴覚過敏の対処に耳栓が有効な理由
聴覚過敏の対策としては、 生活環境の見直しであったり、病院に行くなど方法は様々あるでしょう。
聴覚過敏とは感覚過敏の1つで、日常生活にある様々な音に対し、生活に支障が出てしまうほど過敏に反応してしまう症状です。
例えば生活環境の見直しを考えるなら、規則正しい食事や時間管理をして、睡眠時間はしっかり取るようにするなどです。
発達障害による聴覚過敏はストレスや疲労で疲れが溜まっていると、より症状が強く出てくるという研究結果も出ています。
生活環境の改善は症状を和らげる一つの方法と言えるのです。
また病院に行くことで原因がわかる場合や適切な薬の処方で改善も期待出来ますので、お近くで聴覚過敏の専門医の病院を探して診療してもらうことも大事だと思います。
数々の対策方法がある中で、聴覚過敏に対して耳栓が一つの対策になる理由として言うまでもありませんが、
耳栓は、原因となる不快音を小さくしてくれる効果があります。
できるだけ、不快音の音源に近づかないようにするといった対策も必要ですが、日常生活の中で完全に不快音を避けて生活することは不可能ではないでしょうか?
時にはやむをえず不快音のある場所に行かなければならない時や、予想できずにそのような環境に遭遇することもあることと思います。
このような時、耳栓があれば何とかやり過ごせるというレベルならば心の安定にもなります。
完全に音が消える訳ではないので、全ての症状を改善するものではありませんが、日常的な生活の質を上げてくれる可能性があるのです。
このように、耳栓を日常的に使用することで、不快な音によるストレスが減り、疲労感が改善される場合もあるようです。
耳栓の選び方
わかりました。
でもどんな耳栓を選んだらいいんでしょう?
それでは選び方や特徴を一緒に見ていきましょう。
耳栓といっても種類や用途など選択肢は多く、初めて購入を検討する方はどう選んで良いかわからない場合もあると思います。
耳栓が身体に合わないと耳が痛くなるなど不快の原因にもなることもあるので、それぞれの良し悪しを知ってから試してみることをおすすめします。
まず参考に、それぞれの音がどの程度の騒音レベルなのか確認してみましょう。
dBの数値が大きい程、騒音レベルが高いということです。
飛行機の音 | 120dB |
赤ちゃんや子供の泣き声 | 100dB |
サイレンの音 | 80dB |
セミの鳴き声 | 70dB |
人ごみの音 | 70dB |
掃除機やドライヤーの音 | 60dB |
ドアの開け閉めやノックの音 | 60dB |
食器が当たる音 | 60dB |
人の会話 | 50dB |
一般的には、60dBを超えると人が「うるさい」と感じる音と言われています。耳栓を選ぶポイントとしては、以下の4つです。
- ノイズキャンセリング性能
- 耳栓の種類(装着方法の違い)
- 使い方や用途
- 価格
それぞれ見ていきましょう。
ノイズキャンセリング性能
耳栓の性能の目安としてノイズキャンセリング性能の数値が書かれています。
〇〇dB音を遮断(入ってくる音を減らす)という記載や、NRR(騒音減衰指数)の数値が記載されています。
例えば、
NRR33は、「33dBの音を減衰する」という意味で、この場合、70dBの環境では37dBまで騒音を低減してくれるということ。
耳栓選びの際には、ぜひ一度チェックしましょう。
耳栓の種類
耳栓の種類、特に装着方法について説明します。
装着方法は、耳への負担や環境によっては使用しづらいなどの特徴があるので、事前にどのような環境で使用したいかを考えて検討すると良いと思います。
- 低反発(ウレタン)
装着前に押しつぶして小さくし、耳に入れる耳栓。しばらくすれば膨らんで耳に栓をするしくみ。
耳の形を問わずフィットするので、どんな人でも使えます。
小さくあまり目立たないので、外出中でも目立ちませんし、柔らかい素材なので就寝時などの長時間の使用でも耳への負担が少ないでしょう。
ただ、耐水性は高くないのと、人によっては汗をかくと痒くなる場合もあり得ますので、夏場の長時間の使用は避けた方が良いかもしれません。
- シリコン(プラグ)
ひれが付いていて耳をふさぐ耳栓。
水洗いが出来て清潔に使えますが、素材が固めのものが多く、耳の形が合わなかったりすると痛くなることもあるようです。
- シリコン粘土
粘土のように形を変えられる耳栓。
指で形を変えて耳に蓋をするように使います。自在に形を変形できるので、万人の耳の形に対応できるでしょう。
耳への負担は少ないですが、就寝時の場合、あまり耳から飛び出す量が多いと横向きに寝た時に「耳に圧迫感がある」という口コミが散見されるので、耳に詰める大きさには注意が必要と思われます。
粘着力が無くなるまで使用できますが、衛生的な観点でいうと毎回交換が必要と思いますので、無くなれば定期的に買い増しが必要になります。
- イヤーマフ
健康診断の聴覚検査で使用するようなヘッドバンドの耳栓。
ヘッドホン感覚ですぐに脱着ができるので家で過ごす際に良く、さらに防音性能や密閉性が高いので、外から聞こえる音を小さくする性能は最も優れていると思います。
ただ、サイズが大きいので外出時や学校などでは装着が目立ちますので、周囲の方の理解が必要となるでしょう。
- デジタルタイプ
人の声は聞こえて雑音をカットする耳栓です。
環境騒音を収音して、その逆位相の音を出すことで不快な音だけを打ち消します。呼びかけ声や着信音などの音は聞こえるようにできていて「必要な音は聞こえて欲しい」という場合はとても便利だと思います。
ただ、継続して鳴り続けるエンジン音などには有効ですが、突発的な「ドンッ」「ガタッ」という音は効果がないこともあるようです。
主に、継続して不快音が続く場所に有効と思われます。また、電子機器なので定期的な電池交換が必要です。
使い方や用途
環境によっては先に書いた装着方法によって使えない場合もあると思います。
学校や外出時にイヤーマフを付けていく場合は目立つので、周りの方への事前の連絡や理解が必要ですし、睡眠時はプラグタイプやシリコン粘土タイプを付けていると、横になった時に耳への圧迫感を感じる場合あるそうです。
どのような環境で使用するかを考えながら選べば、より最適な選び方ができると思います。
価格
やはり価格は多くの方が気になる所だと思います。
商品の価格はもちろん大事なのですが、商品によって繰り返し長く使えるものと消耗品があるので、もし、長期的に使用するなら多少高くても長く使えるものを買った方がコスパが良いと考えます。
もちろんご自身に合った商品選びとのバランスを考えて検討する方が良いでしょう。
おすすめ耳栓 4選
ご紹介した特徴を元に機能性や装着性などを考慮し、実際に装着した際の口コミや感想を総合してお子様でも使用できる、優れている耳栓を4つご紹介します。
ちなみにおすすめの耳栓などはありますか?
機能や装着感など優れた商品4つをご紹介しますね。
■MOLDEX Pura-Fit
柔らかくて軽く形状がウエスト曲線になっていて、フィットしやすく長時間装着しても不快感が少ない商品です。
装着性については多少個人差があるようですが、遮音性が高く小さな耳栓なので外出時に利用しやすいですし、睡眠時の使用も可能です。
価格もかなり低く、汚れや弾力の減少が出るまでは繰り返しの使用が推奨されていますので、経済的にも優しいと思います。
NRR:33 低反発ウレタン
■キングジム デジタル耳栓 MM1000
日本の文具メーカーキングジムの商品。
環境騒音対策向けに開発されているので、聴覚過敏の方に適した不快音を小さくしてくれる商品だと思います。
デジタルタイプのノイズキャンセリング機能で気になる環境騒音を低減し、呼びかけ声や着信音など必要な音は聞こえるのが利点です。
ウォークマンのような構造なので、運動する時などはかさばる可能性があるので使用は難しいと思われます。
学校などでは周囲の理解が必要ですが、その点をクリアできればとても便利な商品だと思います。
電子機器なので電池交換が必要で、充電式電池を使用すれば経済的に使用できるでしょう。
NRR:20 デジタルタイプ
■3M PELTOR イヤーマフ X4A
3Mから発売されているイヤーマフで、いくつか価格、機能別でラインナップがありますが、これはミドルタイプで価格と遮音性を両立したタイプです。
遮音性には定評があります。 重さは234gとイヤーマフの中では標準的な重量です。 遮音性を重視するならとても良い商品でしょう。
NRR:27 イヤーマフ
■3M PELTOR 子供用 H510AK442-GB
同じく3Mの子供向けイヤーマフになります。
対象年齢は7歳までと小さいお子さん向けになっていますが、重さは180gとイヤーマフとしてはかなり軽量です。スペック上での遮音性はあまり高くないものの、口コミでは子供の評価も上々との声が多く聞かれます。
小さなお子様におすすめの商品です。
耳栓の使用における注意ポイント
耳栓は不快な騒音の環境に身を置くときに使用し、それ以外はできるだけ耳栓を使用しない方が良いようです。
理由は、騒音環境以外でも関係なく耳栓の使用をしていると、聴覚過敏が慢性化する恐れがあると一部の研究者が警鐘を鳴らしています。
著書「感覚過敏は治りますか?」デービット・M・バグリー氏によれば、時として不快な音と段階的に対峙することも必要との見解を述べています。
ですので、使用する時としない時のメリハリをつけて「それ以外はできるだけ耳栓を使用しない」という使い方を心掛ける方が良いかもしれません。
周囲の理解を得る
周囲に理解されないことは、当事者やその家族にとって、とても辛いものです。
先にも書きましたが、まずは、ある程度信頼できそうな周囲の人へ伝えて、少しでも理解者を増やしてみてはいかがでしょうか? 中には理解や協力をしてくれる方も現れると思います。
また特に、イヤーマフはヘッドホンと似ていて目立つため、使用しにくい場面もあることと思います。そんな時に有効な方法として「聴覚保護マーク」があります。
数年前に聴覚過敏を持つ保護者のツイートが反響を呼び、そのツイートを見た大阪の「石井マーク」という企業が、聴覚過敏の配慮を求めるシンボルマークを製作ました。
ステッカー用やカード用など複数サイズがあり「石井マーク」のホームページで無料でダウンロードできます。
ぜひお子様のイヤーマフに貼ったり、カバンにカードケースをぶら下げるなどして活用してみてください。
まとめ
今回、調査を行った中で思った以上に発達障害で聴覚過敏に悩む方が多くいらっしゃることを感じました。
まだまだ発達障害や聴覚過敏などは社会的な認知が低く、時に辛い事も多いかとお察しします。
ですが年々、多様性(ダイバーシティ)を受け入れる企業も増えつつあり社会的な認知も徐々にではありますが進歩しているのです。
今の子供たちが大きくなった時、もっと発達障害への理解が深まった社会になることを望みます。このお役立て記事がそんな社会の後押しの一助になることを願ってやみません。