自閉症に特徴的な3つの症状

自閉症とは、自閉スペクトラム症/自閉症スペクトラム障害(ASD)と呼ばれることの多い先天的な発達障害のうちの一つです。
社会性と対人関係の障害、コミュニケーションや言葉の発達の遅れ、行動や興味の偏りの三つの症状が発達段階で現れるとされています。

それぞれの症状について具体的に見ていきましょう。

社会性・対人関係の障害

自閉症のある人は、対人関係を築くことを困難に感じていることが多いとされています。

社会性・対人関係の障害の具体的な特徴としては、以下の通りです。

・人と視線を合わせることができない
・周囲に関心がないように見える
・相手の気持ちを理解することができない
・その場の空気を読むことができない

自閉症のある人は、会話をしている最中でも目を合わせることが苦手な傾向にあります。
無理に目を合わせようとすると落ち着きがなくなってしまったり、パニックに陥ってしまうこともあります。
これらの症状から、対人関係が苦手だと思われてしまいがちです。

コミュニケーションや言葉の発達の遅れ

自閉症は、コミュニケーションや言葉の発達が遅れる傾向を引き起こすことがあります。
コミュニケーションや言葉の発達の遅れの具体的な特徴は以下の通りです。

・他の子どもと比べ言葉を話すのが遅い傾向にある
・人の話したことをそのままオウム返しする
・抽象的な言葉や比喩、皮肉を理解することができない
・呼びかけても反応がない
・自分の話したいことだけ一方的に話す

自閉症のある人は、言葉を話し始めるのが遅く、言葉の意味を理解するのが困難な場合があります。
言葉を話し始めても、意味のある言葉で会話をするのではなく、相手の言葉をオウム返しし続ける場合も決して少なくありません。

場合によっては相手に自分の気持ちがうまく伝わらず暴れてしまうこともあります。
しかし、この兆候は適切な対応によって成長と共に落ち着きます。

行動と興味の偏り

自閉症のある人は、ある一定の行動を取る傾向にあります。
行動と興味の偏りについての具体的な特徴としては以下の通りです。

・落ち着きが見られず、常時手を動かしたり部屋の中を往来したりする
・毎日決まった行動をとることを好み、予定外の行動を取ることができない
・何か一つのものに執着を見せる
・自分が興味を持てるものに対して過剰なまでに執着する
・いつもと違う予定外の出来事や初めての人・場所・活動などに対して抵抗を示す

自閉症のある人は、自分の興味のあることに対しては過剰なほどに熱中する傾向があります。
自分の興味の持てる物事を調べつくすことで、誰から教わったわけでもないのに専門家顔負けになるほどの知識を持っている人も決して少なくありません。

このように、自閉症であることによって、人よりも秀でた部分を持つ人もいます。
自閉症は障害でなく一つの個性として受け入れる考え方もあり、特徴の捉え方によっては長所とも言うことができます。