皆さんこんにちは!本日も発達障害等に関する学びや情報交換の場所なることを願って投稿させて頂きます。
今日のトピックは「発達障害のお子さまの習い事」についてです。
目次
習い事は何がいい?習い事をさせる真の目的とは
習い事が与えてくれる本人への影響
発達障害の特性を考えると、習い事は個人競技や分かりやすい習い事がベストです。中でも、本人の興味や意欲を生かし、楽しんで取り組めることがポイントになります。
また、新しいことや慣れない場所など環境の変化を好まない部分もあるので、本人に事前に知らせておく必要があります。
発達障害の代表的な特性
- 対人関係・コミュニケーションの困難
- こだわりが強い
- 同じルーティーンを好む
- 変化を嫌う
- 融通が利かない
- 集団行動が苦手
- 孤立しやすい
- 空気を読むのが苦手
塾にしろ、ピアノにしろ、親がついつい成績アップや上達することを目標にしてしまいがちですが、目的はそこではなく何より本人が楽しんで好きになってくれるように多くの体験をさせることが大切ではないでしょうか。
また、そうして好きな習い事を続け、新たな発見や感動を見つけ、身を以て体験することで、将来、本人の強さや生きがいに繋がると思いませんか。
楽しんで取り組んでもらえるように
楽しんで取り組んでもらえるように、普段から本人の興味のあるものをチェックしたり、短期間の無料体験など行なっているケースも増えてきているので、たくさん体験させて反応をみましょう。
最近では、発達障害のあるお子さまを対象にした専門スクールや塾などもあります。地域にそのようなところがない場合、受け入れてもらえるのか事前にお話ししておきましょう。
なぜ個人競技や分かりやすい習い事がベストなのか
特性を良い方向に生かす
個人競技などは周りを気にする必要がなく、マイペースに自由に進められるからです。
また、発達障害の特性であるこだわりの部分がうまくマッチすれば驚くほどの集中力を発揮できる可能性もあります。
その反面、団体競技などは発達障害の特性であるマイペースな点や周りの空気が読めない傾向が周りの子をイライラさせてしまったり、なぜそのような状況になるのかわからず困惑してしまうなど、悪循環を生む可能性が高いからです。
辛いだけになってしまっては本末転倒
行きたくないと言い出すこともあるでしょう。しかし、サボりぐせがついてしまうといけないと理由も聞かずに無理矢理連れて行ったり、頭ごなしに怒ってしまっては、お子さまにとって大きなストレスとなり何も良いことがありません。
行きたくない理由もわからないまま、2度と相談しなくなる可能性だってあります。
そのような時は、一旦、受け止めてあげて、行きたくない理由を聞いてあげましょう。表情を見て辛そうであれば、無理に行かせる必要はないのではないでしょうか。
本人の辛さの原因は何なのか。周りとの調和、感覚過敏によるもの、サボりなのか見極められるように心がけましょう。
親のモチベーション
だいぶ認知されてきた発達障害ですが、周りの方になかなか理解されていないという現状があります。
周りからは、しつけや頑張りが足りないと思われがちなため、そのプレッシャーからか「今日は行きたくない」なんて言われた日には、無理矢理にでも連れて行ってしまいがちです。
また、当の本人は「頑張りが足りないんだ。もっと頑張らねば」と自己肯定感を失ってしまいがちで、親もお子さまも負の連鎖になってしまっては言語道断です。
良い意味で期待せず、あくまで経験の一つとして考え、「うまく行ったらラッキー」と思っているくらいがちょうど良いかもしれません。
何しろ、大好きなわが子でしょうから、期待しすぎる気持ちもわかりますが、ここはグッとこらえましょう。
これらを踏まえて
これらを踏まえたオススメの習い事
水泳
初期費用/11,000円ほど・月謝6,000円ほど(週1回の場合)
※初期費用の内訳(入会金3,000円/水着・スイミングキャップ・ゴーグル6,000円/レッスンバッグ代2,000円など)
- 基本的に個人競技なので、マイペースに進められる。
- 浮力を利用した全身運動により少ない筋力でも始めやすい。
- 浮力により、過体重による怪我の心配が少ない。
- 爽快感やリフレッシュ感が得られ、ストレス軽減が期待できる。
- 音や水圧、水流、水温などを5感で感じ感受性が育つ。
- 水中での有酸素運動による、脳の活性化が期待できる。
- 個人競技とはいえ、集合したり、並んだりする中でソーシャルスキルが育つ。
- 水圧による血管、筋肉の収縮が血流を良くする効果が期待できる。
- 感覚過敏による強い刺激を嫌がる子もいる。
視覚や聴覚、触覚など、人間にある五感のうち、特定のモノや音、香り、感触、味に対して過敏に反応し、日常生活に影響してしまうほどの不快感を得てしまう症状を言います。
- 全身運動による筋力や体力の向上
- 息継ぎや息を止める呼吸運動による心肺機能の向上
- ソーシャルスキルの向上
- 集中力
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そろばん
初期費用/12,000円ほど・月謝5,000円ほど(週1回の場合)
※初期費用の内訳(入会金5,000円/そろばん3,000円/レッスンバッグ代2,000円/検定料2,000円など)
- そろばんの玉を動かして数字を視覚的に捉えるため理解しやすい。
- 数の計算は意外とシンプルなので受け入れやすい。
- 数字の計算は一生使うものなので、生活に役立つ。
- 珠算能力検定・暗算能力検定など履歴書に書ける資格取得できる。
- 指先が不器用な子も多い特性があるため慣れるまでは大変。最初は、指先を動かすトレーニングで良いのでとにかく触ることが大事。
- 周りに人が多いとなかなか集中できない子が多いので、少人数制の教室を選ぶ。
- 週に2〜3回通う教室が多いため、費用面で圧迫することもある。
- 勉強の側面が強いため、楽しく始めるためには苦労する。
- 計算力(暗算力)
- 記憶力
- 集中力
- 思考力
- 指を動かすことでの身体能力、瞬発力
ピアノやバイオリンなどの音楽教室
初期費用/12,000円ほど・月謝5,000円ほど(週1回の場合)
※初期費用の内訳(入会金5,000円/楽譜やテキスト3,000円/レッスンバッグ2,000円/譜面台2,000円)
- 必然的に音楽を聴くため、リラックス効果によるストレス軽減が期待できる。
- 音楽療法という言葉があるように音楽が持つ働きがソーシャルスキル(コミュニケーション・社会性・協調性)を育てる。
- 楽譜が読めるようになることでの表現方法(表情、声の強弱やボリューム)が豊かになる。
- 発表会など大勢の前でのパフォーマンスによる度胸や自信が身に付く。
音楽療法とは「音楽のもつ生理的、心理的、社会的働きを用いて、心身の障害の回復、昨日の維持改善、生活の質の向上、行動の変容などに向けて、音楽を意図的、計画的に使用すること」と定義します。
引用先:一般社団法人日本音楽療法学会
- 音楽系の習い事は自宅での練習を要する事が多い為、楽器の購入費用に数十万円かかり、発表会などでも追加で10,000円ほど必要です。
- 指先が不器用な子も多い特性があるため慣れるまでは大変。最初は、指先を動かすトレーニングで良いのでとにかく触ることが大事。
- 想像力や独創性
- 主体性
- 協調性
- 感情表現
- 手先の器用さ
- 度胸や自信がつく
- 自己肯定力
テニス
初期費用/23,000円ほど・月謝5,000円ほど(週1回の場合)
※初期費用の内訳(入会金5,000円/ラケット5,000円/バッグ5,000円/シューズ5,000円ウェア3,000円)
- インドアの場合は雨が降っても心配ありません。
- 最初のうちはラケットやボールなど貸し出してくれるところも多い。
- 「パコーン!」というなんとも気持ちの良い音が響き渡り、スッキリ日頃のストレスを軽減してくれます。
- 全身運動のため、身体能力や持久力の向上が期待できます。
- 速いボールを目で追うため、反射神経や瞬発力が養われます。
- 球技に多い人とぶつかるということがほぼありません。
- 本格的になってくると遠征費や合宿費、ラケットが高価になったり、張替えも頻繁に必要(1回あたり3,000円ほど)、シューズなどの消耗品に追加費用がかかります。
- 試合や大会などは屋外で行うことも多く炎天下の下、もしくは雨が降る中、プレイしないといけません。
- 判断能力
- 身体能力
- 瞬発力や反射神経
- 持久力
- 筋力
絵画などの芸術スクール
初期費用/17,000円ほど・月謝20,000円ほど(週1回の場合)
※初期費用の内訳(入会金5,000円/絵の具セット(筆含む)5,000円/バッグ2,000円)
- 口や文字では表現できないことでも絵なら表現できる子が多く、自分らしさを表現したり、主張することで自己肯定力が育つ。
- 形にとらわれず自由に表現できるので、独創性が育つ。
- 描いたり、見たりすることでの色彩感覚や技術が身につく。
- 描きたいものが完成した時の達成感を得られる。
- 使う画材はリーズナブルなものから高価なものまで様々です。最初のうちは、お安い画材で始めましょう。
- 発想力
- 独創性
- 集中力
- 色彩感覚
- 自己肯定力
他にもたくさんの習い事がありますが、ここでは紹介しきれないため、上記の5つのみのご紹介とさせていただきます。
学習塾やプログラミングスクールもおすすめしたいのですが、年齢やコースなど様々な選択肢があり、それに伴い費用もバラバラのためここでは紹介しておりません。
国や自治体などのサポート
行政機関の助成や補助をチェック
行政機関や地方自治体などのホームページを見ると様々なところで助成金や補助金の給付を行っている場合があります。
例えば、千葉県南房総市では小学校5、6年生を対象にした塾や習い事に利用できる教育クーポンの配布を行っていたり、大阪市では中学生を対象にした塾の助成金給付があるようです。
住んでる地域やエリア、年齢や所得、障害の度合いによって利用できる助成制度や補助制度があるかもしれません。
習い事を検討しているならば、ぜひチェックし、条件の合う案件があれば利用しない手はありませんよね。
また、市・区役所などのホームページでは様々な情報が掲載されているため、条件に合う案件を見つけ出すのは困難な場合もあります。障害福祉課や子ども福祉課などが窓口になることが多いのでお電話で確認しても良いかもしれません。
まとめ
習い事は個人競技や分かりやすい習い事がベストです。中でも、本人の興味や意欲を生かし、楽しんで取り組めることがポイントです。
本人が望むなら、団体競技なども否定はできません。周りのサポートにより協調性が育つ可能性だってあります。
楽しみながら、続けていく中で新たな発見や感動を体験し、本人の強さや生きがいに繋がるようにサポートしていくことが親として大切なのではないでしょうか。
同時に、習い事が本人の心身的負担にならないように普段から目を凝らし、辛そうにしていないか注視・見守りしていくことも大切です。