皆さんこんにちは!本日も発達障害等に関する学びや情報交換の場所なることを願って投稿させて頂きます。

今日のトピックは「発達障害作業療法」についてです。

作業療法とは、障害によって日常生活に必要な動作に不自由さ、困難を抱える子ども達に、社会への適応力を身につけるべく行う治療や指導を言います。

また、この作業療法を行う専門職を作業療法士(OT)と言います。

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青木
障害を抱えた子どもの保護者にとって、頼りになる存在ですね。

では、具体的な作業療法とは、どの様な内容でしょう。

この記事では、作業療法士が行う発達障害の作業療法について解説していきます。ぜひ参考にご覧ください。

発達障害においての作業療法

作業療法士は理学療法士、言語聴覚士と同じくリハビリ職のひとつで、国家資格取得者でもあります。

対象となる患者は多く、身体に衰えのある高齢者・病気やけがの影響で体に麻痺(まひ)のある身体障害者、そして発達障害を抱える子ども達など、さまざまです。

発達障害は「先天性の脳機能障害が原因」と言われ、障害による成長への影響は「成長の凸凹」と表現される様に、抱えている子どもによってさまざまです。

Aの子どもの対応が、Bの子どもに適しているとは限りません。

発達障害においての作業療法は、子どもの抱えた障害を確かめ、子どもに適した作業療法を提案し、心身ともに回復を図ります。

子どもに最適な作業療法を行うことで脳に刺激を与え、苦手となる動作の改善につなげていくのが作業療法士の主な役割です。

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大竹
立派な仕事ですよね。

発達障害の子どもに対するリハビリの種類

発達障害を抱えている子どもは、体の動きに関しても苦手を抱えている場合が多くあります。

例えば、走る・ジャンプする・座る姿勢を維持するなど、体全体を使う粗大運動が苦手な子ども。また、お箸が正しく使えない・洋服のボタンをうまくとめられない・鉛筆を正しく持てないなど、微細運動が苦手な子どもも少なくありません。

さらに、DCD(発達協調性運動障害)という発達障害を抱えている子どももいます。

これらの子どもに提案していく作業療法が、おもちゃや遊びを取り入れた療法です。

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青木
DCDに関しては関連記事があります。良ければ併せてご覧ください。

おもちゃや道具を使ったリハビリ

発達障害を抱えた子ども達のリハビリとして、道具を使った少人数でのレクリエーションがあります。

下記動画では、赤、黄、青の3色に分けられた棒状の道具を使って体験している内容です。笑い声も聞こえるなど、とても楽しんでいることが分ります。

ただ単に遊んでいる様に見える内容ですが、

  • コミュニケーションのリハビリ
  • 色を見て判断する脳のリハビリ
  • 運動能力のリハビリ など

さまざまな効果の改善が期待できます。ポイントは楽しみながら行えることです。楽しめる環境で遊びながら、着実に脳の成長を促していくことにつなげていきます。

最初はできないかもしれませんが、取り組むことで少しずつできることを増やしていくことが大切です。

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大竹
普通に楽しそうですね(笑)
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青木
道具も自分たちで作る所から始まります。その過程もさまざまな刺激になりますよね。

参照元:福岡医健・スポーツ専門学校

日常動作に対するリハビリ

作業療法は、道具を使って行うものだけとは限りません。ジャングルジムやブランコなどの遊具を使ってさまざまな刺激を脳に与え、成長を促します。

また、保護者や他の子どもと役を演じて楽しむことも、立派な作業療法のひとつです。さらには、積み木を積み上げたり、ボールを持って投げたりなどもいろいろな刺激から脳の成長を促していきます。

最初はゴムボールをうまく持つことすらできなかった子どもが、持つのに必要な力加減や持ち方を学ぶことで、正しく持つことができる様になるのです。

正しく鉛筆を持てない、正しくお箸が持てないなども、作業療法を取り組むことで改善が見込めるでしょう。

感覚面におけるリハビリ

子どもには感覚に触れる経験が必要です。例えば触れる、匂いを嗅ぐ、見る、触る、揺らすなどがあてはまります。

さまざまな感覚を経験すると感覚が統合し、環境に合った条件を体が理解するため、いざ必要な時に落ち着いて行動できるのです。

具体的には公園の遊具(ブランコや滑り台、砂遊び)などで行い、子ども自身が楽しみながら感覚をつかめるよう調整します。

学習面におけるリハビリ

子どもが楽しみながら学習できるようサポートも行っているようです。

例えば習字や工作のような直接授業につながることもあれば、複数人で集まってゲームを行いコミュニケーション能力を高め、友達と関係を作れるようサポートすることもあります。

保護者への支援

保護者支援も作業療法士の大切な取り組みといえます。

定型発達児とは違い、発達障害を抱えた子どもの育児は「普段通り」にいかない場合がほとんどです。

何度説明しても覚えてくれず、何度も急に飛び出すなど、「親の育児方法が悪い」と悩み続け、精神障害を抱えてしまう保護者も決して少なくありません。

発達障害の症状は人によりさまざまであり、子どもの特徴や傾向にあわせて家でも取り組める方法などの指導し、親子ともに心身の回復を図るのも作業療法士の役割といわれています。

作業療法士へ相談する方法

作業療法士は、対象となる患者によって働く場所も異なります。

  • 高齢者のリハビリを目的とした、介護施設、デイサービス施設
  • 身体障害者のリハビリを目的とした医療施設、リハビリ施設
  • 精神障害のリハビリを目的とした医療施設
  • 発達障害の子ども達のリハビリを目的とした医療施設、デイサービス施設

施設によっては常駐していないことも考えられます。

作業療法士に相談してみたいという人は、事前に医療機関などへ確認しておく必要があるでしょう。

まとめ

発達障害の作業療法とは、「遊び」を通じることで脳の成長を促し、できなかったことをできる様に指導していく療法です。

作業療法士は、発達障害を抱えた子ども達に、それぞれに最適の作業療法を提供し、心身ともに回復を図っていくすてきな職業と言えます。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。