皆さんこんにちは!本日も発達障害等に関する学びや情報交換の場になることを願って投稿させて頂きます。今日のトピックは「ADHD診断」についてです。

ADHDとは発達障害の一つで、日本語では注意欠如・多動性障害と訳します。

近年ADHDの診断に着目されるのは、医療の発展と人々の関心が増えたことに由来するでしょう。

そこで今回は、ADHDと診断される方法をよく利用される診断基準をもとに解説します。

ADHDの診断方法

ADHDと診断する上で医師が利用する診断基準(DSM-5)があり、DSM-5はアメリカの精神医学会が発行しています。

専門機関での診断は、上記に記したアメリカ精神医学会のDSM-5や世界保健機関(WHO)のICD-10による診断基準によって下されます。

正式に診断を受けたい場合には専門機関の診断や検査を受けるといいでしょう。

  • 不注意または多動性-衝動性の症状のうちいくつかが12歳以前から存在していた
  • 不注意または多動性-衝動性の症状のうちいくつかが2つ以上の状況で存在する
  • これらの症状が学業的、社会的、職業的機能を損なわせている又はその質を低下させているという明確な証拠がある
  • 症状が統合失調症、又は他の精神病性障害の経過中にのみ起こるのではなく、他の精神疾患(気分障害、不安症、解離症、パーソナリティ障害、物質中毒または離脱)ではうまく説明されない

上記の結果から、不注意と衝動性が見られるタイプ、不注意優位型のタイプ、多動性と衝動性が見られるタイプに分類されます。

さらには重症度が3段階に分かれて診断が下されることとなります。

これら診断基準は、年齢によって障害の症状の現れ方が異なり、区分も流動的であるということを考慮したものであるといえるでしょう。

ADHDの症状

ADHDの症状は主に不注意と、多動性、衝動性の3つに分けられます。

便宜上多動性と衝動性は一つにまとめて解説しました。

該当するものが多いと感じた場合は、専門機関に相談してみるといいでしょう。

不注意

次のうち6つまたはそれ以上の症状が6ヶ月以上持続し、学業的・職業的活動に影響を及ぼすほどである場合は「不注意」に当てはまる可能性があります。

  • 学業、仕事、または他の活動中に綿密に注意することができない、または不注意によって間違いを犯す
  • 課題または遊びの作業中に注意を持続することが困難である
  • 直接話しかけられているときに話を聞いていないように見える
  • しばしば指示に従えず義務をやり遂げることができない
  • 課題や活動を順序立てて行うことが困難である
  • 精神的努力を要する課題に従事することを避ける、嫌がる
  • 課題や活動に必要なものをしばしばなくしてしまう
  • 外的な刺激(成人では無関係な考えも含まれる)によってすぐに気が散ってしまう
  • 日々の活動(成人では電話を折り返しかけることや金銭の支払い、会合の約束を忘れること、用事を足すこと)などでしばしば忘れっぽい

多動性および衝動性

次のうち6つまたはそれ以上の症状が6ヶ月以上持続し、学業的・職業的活動に影響を及ぼすほどである場合は「多動性および衝動性」に当てはまる可能性があります。

多動性とは、落ち着きがなく動き回っている状態をいいます。

  • 手足を動かしたり叩いたりすることがある。または椅子の上でもじもじする
  • 着席が求められる場面でしばしば離席する
  • 不適切な状況で走り回ったり高いところへ登ったりする(成人では落ち着かない感じのみにとどまることもある)
  • 静かに遊んだり余暇活動につくことがしばしばできない
  • しばしばじっとしていない、または衝動的に行動する
  • しばしば喋りすぎてしまう
  • しばしば質問が終わるまで待てず答え始めてしまう
  • しばしば自分の順番を待つことが困難に感じられる
  • しばしば他人を妨害して邪魔をする

ADHDの症状については別途まとめていますので、併せてご覧ください。

まとめ

ADHDを診断するのは専門医師であり、素人が勝手に判断することはできません。

インターネット上にある診断は傾向を確認する程度であれば問題ありませんが、信じすぎないようにしてください。

診断が下された場合は、自分の得意と不得意を明確にして過ごしやすい環境整備を行いましょう。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。