子育て記録に何を記録すべきか

障害年金受給は、8~9割方、医師の診断書によって決定するとされています。
療育手帳などの取得時には、障害を持つ本人と会って様子を見た上で判断を下しますが、年金の場合審査は書類のみです。
そのため、書類を作成するための足がかりとなる記録が重要な役割を担うこととなるのです。

まず第一に、障害の原因となった傷病名のため、初めて医師の診断を受けた日(初診日)は必ず記録しておくようにしましょう。
初診日要件といい、初診日があることが受給要件になるためです。

その後の通院歴、転院履歴、検査結果や医師の意見書などの医療的情報に関しても、記録するか或いは控えておくようにしてください。

検診や知能検査においては、目に見えて表れにくいことを記録しておくのも大切です。
支例えば家庭や学校において日常的に起こる困りごとや、支援がないとできない事柄についての記録をしておきましょう。

学校で問題を起こしてしまった際に対応してもらったことについて事細かに記したり、具体的にどのような問題行動をとってしまったのかなど、細かい出来事の一つ一つが重要な情報となります。

子どもを診断する医師が必ずしも障害のことを深く理解しているわけではありません。
医者に任せっぱなしにしてしまうと、子どもの抱える困難がうまく伝わらず年金非該当という判断を下されてしまう恐れがあります。

そうならないためにも、日常の困りごとについて些細な出来事も記録をして医師に伝えるようにしましょう。

記録は、医師が診断書を書く上で必要となるだけでなく、親が『病歴・就労状況等申立書』に記入する際にも重要なものとなります。
年金を申請する際には、申立書だけでなく、障害が原因でできなくなったことや、日常生活における困りごとなど、障害によって生じる困難を具体的に示した別紙書類も必要です。
なるべく具体的に過去について書くことの意味としては、「20歳前になった今できるようになったこともあるが、同じようにできなくなることもある」ということ、「発達には浮き沈みがある」ということを伝えることなどがあります。

障害年金がもらえる鍵は「生きづらさを感じているかどうか」です。
生きづらさについて、具体的に伝わるようにアピールをすることが必要です。

記録のとり方はどのようにすべきか

障害年金受給のタイミングで、一度にまとまった詳細な記録を作るのは労力のかかることです。
そこで、日々の出来事や子どもにまつわるニュース、通院の日時などを日記にして記録しておくと良いでしょう。

毎年の成長や困りごと、緊急連絡先や通院先などをまとめておくのも重要なことです。
これを一年ごとに見直して、その都度書き加えたりするとなお良いでしょう。

診断書や診察券、お薬手帳のコピーなども添付しておくと、より確かな情報になります。

複数の媒体に記録を残しておくより、一つにまとまった記録の残し方をすると見やすくまとまった情報になります。
必要な時に必要な情報を取り出しやすいよう、紙ではなくなるべくデジタル媒体に残すと良いでしょう。