親なきあと障害のある子が地域の人と共生するために必要なこと

保護者が健在である今は、地域の療育センターで診断してもらうことができてはいるものの、いつまで継続して診てもらえるかわからないという不安や、地域に子どもの発達に関する相談ができる担当医がいないという悩みを抱える親は少なくありません。

自分がいなくなった後も地域に子どものことを理解してもらい、困りごとなく生きていくことができるような地盤を作るために、必要なこととは何なのでしょうか。

育児記録が子どもの取扱説明書代わりになる

年金のために必要とされる育児記録ですが、せっかくならこの先子どもに関わる介護者などすべての人にとってわかりやすい取扱説明書代わりにできるとさらに好ましいでしょう。
親が子どものサポートをできなくなった後や、子どもが地域の中で生きていくため最も必要なものこそ記録であると言っても過言ではありません。

親亡き後も子どもが地域で生きていくには、地域の人にどれだけ子どもを理解してもらうか、味方になってもらえるかが重要な鍵を握っています。
周囲の人に子どもについて知ってもらうためには、詳細な症状や困りごとだけでなく、どのように育ってきたのかを記録することが大切です。

これらの情報を記録しておくと、子どもの情報が地域の人に伝わりやすくなります。

地域の情報は地域で得る

地域の情報を得るべきは、地域の親の会や学校のPTA、友人など身近なところです。

特に地域の人の情報であれば、リアルな口コミを手にすることができるので、貴重な情報の一つになり得ます。
病院によって障害に対する知識の差やサポートに違いが見られることもあります。
そんな時、ピンポイントで子どもの力になってくれそうな病院を見つけることができたり、役立ちそうな療育の場など発達や障害のある子どもに関わる施設情報に関しては地域の人からの紹介が最も確実です。

また、通学の場合には利用できないとされている学校の送り迎えにおける移動支援サービスも、地域によっては条件次第で使えることがあります。
制度が一律でも、自治体や事業所によって運用は異なります。このような情報は通常インターネットに載っていないので、知り合いからの口コミ情報が最も役立ちます。

オンラインによるつながり

自分の子どもに関するメモやブログなどの記録を残すことも大切ですが、同じように障害を持つ他の子の親が公開しているブログ等を読んで、その投稿主とつながりを持つことも大切です。
同じような特性や障害を持つ子どもの情報を得ることができたり、同じ疾患を持つ人同士のコミュニティーに参加するきっかけになることもあるためです。

我が子よりも年上の子どもの例を知ることもできるので、子どもの将来の参考になる場合もあります。
このように、記録をつける、他の人の記録を参考にするなどのオンライン上のつながりは、子どもだけでなく保護者にとっても大切なことです。